肩こり、首コリ60年

日々の出来事や感じたことを書いていきたいと思います。

自分らしく生きる、とは?

こんにちは、笹井 宏です。

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1、 腰掛のつもりが、20数年間続けている経理の仕事
2、 やってみなければ、【自分】に合っているかどうか合っているかどうか分からない
3、 ジジイになった今でも、【自分らしさ】がまだ分からない
4、 本人でさえ、ましてや家族でも、その人の【自分らしさ】は分からない
5、 【自分らしさ】とは、変化していくもの

 

 

最近、【自分らしく】という言葉をよく見聞きするようになりました。


でも、【自分らしく生きる】というほど、人は本当に自分を理解して、確立した人生観を持っているものでしょうか?


私は、71歳の今日に至っても、自分というものがよく分かりません。

 

ましてや【自分らしく生きる】なんて、確固たる信念を持っている訳ではありません。

 

1、 腰掛のつもりが、20数年間続けている経理の仕事


私は今、経理の仕事をしています。


けれども、この世界に入るまでは、『経理なんて重箱の隅をつつくような細かい仕事は、自分には絶対できない』と思っていました。

 

 


経理は、お上が決めた通りに遺漏なく仕上げ、約3年に1度は申告が適切かどうか税務調査を受けなければなりません。

 

国税調査官は、基本的には、以前税務調査が行われた時点から現在までのあらゆる書類を引っ張り出して、それこそ、なめるように見ていきます。


少しでも、調査員の目に留まるような部分があれば、納得するまで追及されます。


場合によっては、申告漏れを修正申告して本来払うべき税金とともに、無申告加算税や過少申告加算税が課され、悪質な場合は追加本税の35~40%もの重加算税を払わされる可能性もあります。

 

『そんな面倒くさい仕事をする人の気がしれない。』と、思っていました。


しかし、ひょんなことから50歳を目の前にして経理の仕事を引き受けざるを得なくなり、すでに、20数年間経理の仕事に携わっています。

 

 

勤めている会社は、数年前には税務署から『優良申告法人』に、選ばれました。


全国一会社数の多い渋谷区でも、『優良申告法人』に選ばれたのは、ここ40年間で120数社しかないとのことでした。


もちろん、毎年選出されるものでもありません。

 

2、やってみなければ、自分に合っているかどうか分からない

 

最初は勘定科目さえ分からず、通勤電車の中や帰宅してからも、勉強しました。


仕事として引き受けてしまった以上、いい加減なことは許されません。


会社には、決算期があります。

 

その時に作る決算書は、100ページ近くにも及びます


そして、私の作った書類が、税務署はもちろん、金融機関にも提出しなければなりません。


金融機関の融資部に所属する税理士や専門家が、を皿のようにして検討します。


金融機関は決算書を分析して、その会社に融資をするべきかどうか、貸付利息はAランクかBランクか、あるいはもっと高い利息を取るべきかを決める訳ですから、決算書の内容は会社の命運を左右します


こちらも、真剣にならざるを得ません。


このように書くと、何か私一人がやっているように聞こえますが、もちろん顧問税理士がついていて、相談しながら最終的な決算内容を決めます。


前述したように、『ぜったいに、あんな仕事はできない』と思っていた私です。

 

入社した当時は、次の仕事が見つかるまでの繋ぎのつもりでした。


もしくは、「こいつは仕事ができない」と、会社から見切りをつけられ、すぐ首になるだろうと思っていました。


ですが、やり始めてみると、経理の仕事は自分で思っていたほど、嫌な仕事ではありませんでした。

 

つまり、やってみるまでは自分に合っているのか、果たしでできるのだろうか。それさえ分からなかったのです。

 

3、ジジイになった今でも、【自分らしさ】がまだ分からない

 

けれども、のめり込むほど好きになれなかったのか。

単なる私の怠惰なのか、もっと突っ込んで税理士や公認会計士になろうとまでは思いませんでした。

 

一所懸命にやるものの、それは仕事だからであって、


老齢といわれるようになって恥じ入るしかないのですが、


それは、【自分らしく】がまだ分かっていないからだと思います。

 

4、本人でさえ、ましてや家族でも、その人の【自分らしさ】は分からない

 

私の娘が大学の入学試験を受ける時期になりました。


私は勝手に思っていました。


彼女の性格ならあまり人と接することなく、黙々と1つのことを突き詰めていく研究者なんかが向いているんじゃないかと。


でも、そのことを口には出しませんでした。


岐路に立って道を選ぶのは彼女自身なんだから、もう判断力が備わっている年なんだし、好きにすればいいと思っていたからです。


娘は法学部を選びました。

 

私は思いました。『法学部なんて、何が面白いんや。お上が社会の秩序を守るために作った規則を、ただなぞらえていくだけじゃないか。』


親として落第かもしれませんが、これまで娘の性格や、彼女の価値観を完全に見誤っていた訳です。

 

その後、私自身がある資格試験のため、民法を勉強しなければならい羽目に陥りました。


必須科目ですから否応なしです。


ところがやってみると、これが案外面白いことが分かりました。


自分でもびっくりです。

 

【自分らしさ】【自分らしい生き方】とは、マスコミが作り出した言葉であり、メーカーが商品を販売するキャッチコピーに使い始めた言葉です。


世間には、会社勤めを止め、自分の会社を立ち上げたり、趣味を生かしてインターネットで稼いでいる方もたくさんおられます。


特に、若い方が多いように見受けられます。


もちろん、それは結構なことで大いに喝采を送りたいと思います。

 

5、【自分らしさ】とは、変化していくもの

 

人は限られた時間で、限られた範囲で生きています。


これが、【自分らしさ】だと、確かな手ごたえを得ている方もいらっしゃるでしょう。


でも、今まで食わず嫌いの職種、生き方だったとして、やってみると案外こっちの方が自分に向いているのかなと、新しい【自分】を見出すこともあります。


【自分らしさ】とは、固定されたものではなく、変化していくものだと思います。

【自分らしさ】とは、頭で考えるのではなく、行動の中で見出すべきものだと思います。

 

外出自粛要請の中、閉塞感に耐え切れず、出かけて行く人たちがいます。


ゴールデンウイーク最中の今であるからこそ、「去年はあんな所へ観光に行ったな。とか、この騒動の前に立てていた計画が潰れて、ストレスを抱えている方もいらっしゃると思います。


けれども時間がある今こそ、自分が何者であるのか。これからどう生きればいいのか。【自分】というものに、静かに向き合ってみるのもいいのではないかと思います。