肩こり、首コリ60年

日々の出来事や感じたことを書いていきたいと思います。

コロナに思う。【価値観は1つじゃない。絶対的な価値観はない】

こんにちは、笹井 宏です。

f:id:mirai-miraikun:20191229204703j:plain

 

コロナウィルスに対する日本政府の姿勢は、アメリカを代表するニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナルで叩かれっぱなしでした。


特に流行の初期の段階では、叩かれるというよりも、ボロクソに書かれていました。

 

1、 ダイアモンド・プリンセス号は、感染者を増やす箱だったのか
2、 アメリカマスコミによる日本叩き
3、 アメリカは大丈夫! 機能しなかったCDC
4、 マスコミは社会的影響力があるからこそ、己の価値観を唯一無二

  と考える傲慢と偏見に陥ってはならない
5、 価値観は1つではなく、唯一無二の価値観はない

 

 

まず、2020年1月20日に横浜港を出港した豪華クルーズ船、ダイアモンド・プリンセス号は、香港やベトナムを回り、2月3日に横浜港に帰航しました。


乗客の1人が1月23日から咳などの症状を訴えていて、その人は香港で下船しましたが、1月30日に発熱し検査の結果、コロナウィルス陽性であることが判明しました。


2月4日には乗客の下船は禁止されました。

 

この時船内には、56ヵ国の乗客2,666人と乗務員1,045人、合計で3,711人が船内に残されていました。

 

 


翌日の2月5日には船内で10人の感染者が確認され、2月13日には船内の感染者は218人にまで膨れ上がりました。

 

この時国内では1月16日武漢への渡航歴がある中国籍の男性がPCR検査で陽性反応が出たのをはじめとし、1月24日武漢在住の訪日中国人旅行者が発病しました。


これが、東京都で発見された初めての感染者でした。


その後も発症者は続き、政府は1月28日に武漢に住む日本人で帰国希望者のために、ANAチャーター機で帰国させました。

 


その時帰国した人のうち3名の感染が確認されました。

 

ダイアモンド・プリンセス号でコロナウィルス発症者が見つかった時は、国内でも発症者が出てきた特に微妙な時だったのです。

 

政府は乗客や乗務員の下船を禁止したのは、当然のことだったと私は思っています。

 

2、アメリカマスコミによる日本叩き

 

ところが、これを叩きに叩きまくったのが、ニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナルだったのです。


【重大な人権侵害だ!】


「それぞれの部屋に閉じ込め、廊下にも出られない」


「乗客はバルコニーで外の風に当たることしかできない。」

 

「これは、牢獄だ!」


「非発症者は下船させろ。これでは船内の人がすべて感染してしまう」


「乗客や乗員を見殺しにするのか。」


「日本人はバカばかりか。野蛮人だ」「政府は3流だ」


もう書きたい放題です。


センセーショナルな記事ほど、部数が伸びるのは分かります。


でも記事を書く前に、記者は医師に相談したりしなのでしょうか。


感染して2週間の潜伏期間があることなど、まるで知らないようでした。


アメリカで権威があるとされる、しかも部数も多い新聞がこぞってこんなことを書き立てれば、ほとんどのアメリカ人はこれが真実だと思ってしまうでしょう。


実際には、2月19日までに船内のすべての人の検査が終了し、陰性と判断された乗客は、公共交通機関などで帰宅しました。


この対応もまずかったです。

 

いかにPCR検査で陰性だったというものの、この時点で公共交通機関を使用させるべきではなかったと思います。


PCR検査も100%の確率ではなく、陰性と判断された人の中にも後日陽性になった人もいたからです。

 

アメリカではじめてコロナ患者が見つかったのは、2月末でした。


もっとも現在ではそれ以前に亡くなった人も、遺体からコロナウィルスが発見され、それ以前から感染が広がっていたとの見解もでていますが、当時は対岸の火事で、アメリカのマスコミははやし立てるばかりでした。


3、アメリカは大丈夫! 機能しなかったCDC

 

この時点では、きっとアジアの一部で発生した風土病くらいにしか考えていなかたのでしょう。

 

アメリカ政府は、コロナウィルスに対する初期段階での予防措置を取りませんでした。


アメリカ全土で発症者が溢れかえり、世界経済の中心ニューヨークはロックダウンされてしまいました。


アメリカが誇るCDCアメリカ疾病管理予防センター)も機能しませんでした。

 

4、マスコミは社会的影響力があるからこそ、己の価値観が唯一無二と考える傲慢 

  であってはいけない

 

現在、5月20日の東京都での新たなコロナウィルス感染者は5人でした。


関西では過去7日間の100万人当たりの発症者数が5人を切り、緊急事態宣言の解除になった地域も出てきています。

 

【どうだ!】と威張ろうとは思いませんし、私が威張ることではありません。


私は患者さんに対して何もしていませんし、日本でコロナウィルスが流行しないように、私が奔走して食い止めた訳でもありません。

 

それに、第2の波、第3の波が襲ってきたとき、日本での発症者数や亡くなった方の数がどうなっているかも分かりません。

 

ただ、私が思うのは特に欧米では自分たちの価値観のはんちゅうからはみ出すものは異端者であり、愚か者であるとみなす傾向があることです。

 

日本やアメリカだけでなく、西側諸国では表現の自由が保障されています。


だからといって、マスコミは何を書いてもいいというものではありません。

 

5、価値観は1つではなく、唯一無二の価値観はない

 

社会的影響力があるからこそ、自ずと秩序があり、相手の考え方価値観を尊重する姿勢があってしかるべきだと思います。


ましてや、コロナウィルスに関しては人類にとって未経験の病気であり、専門家によっても意見が分かれています。


政府があたふたと、時にはちぐはぐな政策を発表することもあるのは、ある程度はやむを得ないことだと思います。


現に、マスク不足の時、アベノマスクを世帯ごとに2枚を配るなどと言い出し、ドラッグストアやスーパーに山と積まれるようになった現在でも、まだ我が家には届いていませんし、仮に明日届いたところで、喜べないのは当然のことです。


こんな愚策に460憶円も費やした政府はバカであるとしか言えません。


でも、少なくともマスク不足の時、少しでも国民の役に立とうという姿勢はあったのです。


もし、現状が日本とアメリカが逆転していたとしたら、アメリカの新聞はどんな見出しになっていたでしょう。


「愚かな日本! 我々の意見に耳を貸さず、かってなことをした結果が、感染者は150万人を超え、死者は10万人にせまる勢いだ。
これは、誤った政策による大量殺人だ」


とでも、なっていたことでしょう。