こんにちは、笹井 宏です。
ちょっと前になりますが、韓国でしばらくの間コロナウィルス発症者ゼロの日が続きました。
「コロナを完全に封じ込めた韓国は、世界の標準になるであろう」と、文在寅大統領は胸を張りました。
1、 ゲイの集団感染
2、 当局の焦り、地下に潜る感染者
3、 韓国のIT管理は、人権無視
4、 好奇心と侮蔑にさらされる少数者
5、 韓国は社会主義国家
1、 ゲイの集団感染
そして、5月6日に外出禁止令が緩和されました。
その矢先、梨泰院(イデウォン)にあるゲイクラブに繰り出した若者たちの間に集団感染が発生しました。
それは、発症者の家族、友人と次々と感染を広げ、約20日後の5月25日には、感染者は200人以上に膨れ上りました。
韓国政府は発症者をITで管理し、位置情報のみならず、その動向、どこへ立ち寄りどのように行動したのかも、逐一管理されます。
梨泰院のゲイクラブに立ち寄った人は5,500人ともいわれております。
このままでは、韓国政府の威信に関わります。
何しろ、大統領自らが「韓国式は世界の標準になる」と豪語した直後ですので、何としてもコロナが再び蔓延し、ロックダウンをしなければならない事態は避けたかったからです。
よって政府は、ゲイクラブに立ち寄った者は、全員PCR検査を受けるよう要請しました。
しかし、クラブに立ち寄った人たちの2/3に連絡はつきませんでした。
2、当局の焦り、地下に潜る感染者
韓国は電子決済社会です。
しかし、ゲイ同士で性行為を行う「ブラック睡眠部屋」を利用した人の多くは足が付くことを恐れ、ほとんどの人が現金決済をしていたからでした。
利用する側としては、身を守る術として当然の行為です。
当局が「名乗り出よ。アウトブレークの恐れがある」と、いくら叫んでもなかなか名乗り出る人は現れません。
当局の威信にかけて、イデウォンに行った人たちを探しました。
ところが、電話番号等はデタラメ。フラッと立ち寄った人は、住所さえ分からない。
当局の焦りをよそに、調査は遅々として進みません。
至極当然のことだと思います。
3、韓国のIT管理は、人権無視
名乗り出たとたん、住所、氏名、年齢はもとより、勤務先まで登録されてしまうのですから。
場所が場所だけに、家族に内緒で行った人もいたでしょう。
家庭の破壊につながります。
職場に知れれば、解雇される可能性だってあります。
もし解雇までされないとしても、周囲から白い目で見られ、いたたまれなくなって、結局は辞めるしかなくなるでしょう。
特に韓国では、LGBTの人を性的異端者として、さげすむ傾向にあります。
発症者の行動を追跡し、誰と会ったかまで把握される。
軽症者で自宅隔離の人も、朝夕当局に連絡を入れなければならず、それを怠るとスマホから警告音が鳴ります。
コロナ対策としては、極めて有効な手段でしょう。
しかし、個人情報をさらされる方としては、たまったものではありません。
韓国では、コロナ撲滅のためには人権はないに等しいのです。
4、好奇心と侮蔑にさらされる少数派
あそこのご主人は、ゲイらしい。
でも、子供さんがおられる、すると両刀使いか。
好奇心と侮蔑を込めた、こんな噂が流れるのです。それでもこれまでの場所で生活できるものなどおりましようか。
政府がもたもたしている間に、梨泰院の感染は5次感染、いや、7次感染まで及んだと聞いております。
高麗大学のキム・ウジュ教授は、「イデウォンのクラブの訪問者の2/3に連絡がつかず、集団地域社会感染が懸念される」
「集団感染を罵倒すれば検査を受けるべき人たちが隠れてしまい、防疫には役に立たない」
「特定人物の移動経路を公開せず感染者が訪問した場所と時間だけを公開し、プライバシー侵害を最大限防いでこそ検査を避ける感染者を減らせる」
また、韓国大学のイム・ミョンホ教授は「韓国では性的マイノリティに対する認識が少数宗教に対する認識よりもさらに否定的」
「イデウォンのクラブに感染者が立ち寄った後に性的マイノリティの性行為を強調する情報がオンライン上に多く飛び交っている。
そのようなことをすればするほど隠れる感染者が多くなり、『第二の新天地』事態を生む可能性がある。
何もエライ大学教授に言われるまでもありません。
こんな基礎的ことすら、当局は気づかなかったのでしょうか。
5、韓国は社会主義国家
韓国とは、なんと生きにくい所でしょう。
多数派の人に【右へ並べ】して生きなければならない。少数派の人もそれをやっている振りをする。
そうしなければ、異端者として扱われ、社会的に抹殺されてしまう。
これでは、社会主義国家と変わらないではありませんか。
私が他国の制度や慣習を、とやかく言う権利はありません。
しかし、多数派の利益のために、少数派を抹殺する又は粗略に扱うのは、少なくとも現在の西側諸国の考え方ではないように思います。