1、始まったカッピング治療
2、カッピングは、出血を伴わないのが普通の治療
3、楽になった?
1、始まったカッピング治療
いつも通りの、鍼灸治療が終わりました。
「では、やってみましょうか。慣れるまでは、肩とこのひどいコブのところだけやってみますね。気分が悪くなったら、ガマンせずに言ってください。すぐ、取り外しますから」
自分から申し出たことですが、カップを肩に当てられたときは、やはり以前のことを思い出して、体中が少し汗ばんだのに気づきました。
2、カッピング治療は出血を伴わないのが普通
しかし、先生の手にカミソリはありません。
やり方は簡単です。
真空ポンプでカップ内の空気を抜く方法もあるそうですが、先生は昔ながらのガラスカップに脱脂綿を入れ、それに火をつけて皮膚に押し付けるというものでした。
カップを押しつけられても、別に熱いとは感じません。カップ内の酸素を消費して、すぐに火は消えてしまうからです。
その後は、皮膚が結構強い力で吸引されます。
7,8分は過ぎたと思います。
先生はカップを取り外しました。カップの吸引力は相当なもので、外した時、カポッと音がするくらいです。
「どんな状態か見てみますか」
先生から手鏡を渡され、自分の肩を見てみました。
皮膚がカップの形に少し盛り上がり、赤紫色に変色していました。
3、楽になった?
「跡は2、3日で消えます。それより、効果はどうですか。常の治療より楽になりましたか」
先生の言葉で、体に神経を回してみました。
「いつもより、楽になったとは思いますが、まだよくわかりません」
「そうですか。私は、この治療を鍼と併用した方がいいと思います。」
3日後に鍼灸院に行く前に裸になって鏡で見ましたが、先生の言葉通りカップの輪郭はわかるものの、くっきりとした赤黒さは抜けていました。
鍼灸にカッピングを加えて5回が過ぎました。当時は3日置きに鍼灸院に通っていました。
そして、6回目の治療日が巡ってきた朝でした。
その時、「オヤッ」と思ったのは、いつもより体が軽く感じたことでした。
首の横を指で押してみると、底が固くコリ感を感じました。後ろを押しましたが、あまり感覚がありません。
「松のコブであれだけガンガン叩いていたので、感覚が鈍くなっているのかも」
「とりあえず、もうちょっと続けるしかないか」
鏡の中の私が、フーと、ため息をつきました。